九州電力の料金プラン比較|従量電灯B・スマート・オール電化

日本の住宅と三つの電気料金プランをスマートメーターから分岐する光で表した比較イメージ 政治・経済
標準・高使用量・夜間利用の三つの料金プランを、住宅とスマートメーターで表現しています。

九州電力の家庭向け料金プランは、使用量が少なく燃料価格上昇時の上限を重視するなら「従量電灯B」、使用量が多く2年契約を受け入れられるなら「スマートファミリープラン」、エコキュートなどを使い夜間へ電気使用を移せるなら「電化でナイト・セレクト」が基本候補です。

ただし、電力量料金の表だけで選ぶと判断を誤ることがあります。2026年11月分は従量電灯Bの燃料費調整単価が1.86円/kWh、スマートファミリープランと電化でナイト・セレクトは2.53円/kWhで、自由料金側が0.67円/kWh高いからです。口座振替割引、2年契約割引、燃料費調整の上限、時間帯別使用量まで同じ条件で比べる必要があります。

このページでは、九州電力の家庭向け料金プラン一覧と2026年11月1日からの単価を横断し、公式確認できた事実、Econova独自試算、今後の確認点を分けて整理します。既存の九州電力の11月値上げ要因の記事は「なぜ上がるか」、本記事は「どのプランを選ぶか」が主題です。

結論:3プランは使用量・契約期間・使う時間帯で選ぶ

プラン 向いている家庭 主な利点 注意点
従量電灯B 使用量が少なめ、1年契約を希望 口座振替で月55円割引。燃料費調整に上限あり 300kWh超の単価はスマートより1.10円/kWh高い
スマートファミリープラン 使用量が多く、2年継続しやすい 300kWh超が25.83円/kWh。2年契約割引は年777円 燃料費調整に上限なし。途中解約時は既割引分の精算あり
電化でナイト・セレクト オール電化、夜間・休日へ使用を移せる 夜間14.57円/kWh。夜間帯を3種類から選べる 実量制で基本料金が決まり、昼間比率が高いと割高になり得る

従量電灯Bとスマートファミリープランは、10〜60Aの家庭向けで、基本料金と300kWhまでの電力量単価が同じです。差が出るのは、300kWh超の単価、割引、燃料費調整の上限です。電化でナイト・セレクトは契約電流ではなく実量制の契約電力を使い、時間帯別単価を適用するため、同じ表へ単純に置き換えられません。

公式確認できた事実:従量電灯Bとスマートの単価差

従量電灯Bとスマートファミリープランの2026年11月1日以降の税込単価を並べると、次のようになります。

区分 従量電灯B スマートファミリー 差
30A基本料金 1,325.07円 1,325.07円 0円
最初の120kWh 18.33円/kWh 18.33円/kWh 0円
121〜300kWh 23.93円/kWh 23.93円/kWh 0円
301kWh以上 26.93円/kWh 25.83円/kWh スマートが1.10円安い
主な割引 口座振替で月55円 2年契約で年777円 適用時期・条件が異なる
燃料費調整の上限 あり なし 燃料高騰時の負担が異なる

スマートファミリープランは、300kWhを超えた分だけ1.10円/kWh安くなります。たとえば500kWhなら、300kWh超の200kWh分で220円安くなる計算です。一方、2026年11月の燃料費調整はスマート側が0.67円/kWh高いため、500kWhなら335円の差になります。電力量料金だけの220円節約より、燃料費調整差335円の方が大きい状態です。

Econova独自試算:11月は約745kWhが損益分岐

30A、2026年11月単価、口座振替割引と2年契約割引を適用した家庭を比較します。2年契約割引777円は長期比較のため月64.75円に均し、従量電灯Bは口座振替割引55円を毎月適用すると仮定しました。再エネ賦課金4.18円/kWh、離島ユニバーサルサービス調整0.10円/kWhも含みます。

月間使用量 従量電灯B スマートファミリー スマート-従量B
200kWh 約6,612円 約6,736円 +124円
300kWh 約9,619円 約9,810円 +191円
400kWh 約12,926円 約13,074円 +148円
500kWh 約16,233円 約16,338円 +105円
800kWh 約26,154円 約26,130円 ▲24円

300kWh超では、スマートファミリープランと従量電灯Bの差を次の式で概算できます。

スマート-従量B = 320.25円-0.43円×月間使用量

320.25円は、300kWh超の単価差330円と割引差9.75円を整理したものです。0.43円は、燃料費調整差0.67円から300kWh超の電力量単価差1.10円を差し引いた値です。差が0円になる使用量は320.25÷0.43≒744.8kWhで、約745kWhが11月条件の損益分岐です。

これは「スマートは745kWh以上なら常に得」という意味ではありません。燃料費調整単価は毎月変動し、従量電灯Bには上限、スマートには上限がありません。2年契約割引は毎月64.75円ずつ値引きされる仕組みではなく、加入から1年後と2年後の料金で割り引かれます。2年未満で解約すると既割引分を精算する場合もあります。

品質確認のため同じ式を500kWhへ戻すと、320.25-0.43×500=105.25円となり、表の差105円と一致します。端数処理や実際の割引適用月により請求額は数円以上ずれる場合があります。

電化でナイト・セレクトは夜間比率と最大需要で判断

電化でナイト・セレクトは、エコキュートなどを使い、電気使用を夜間・休日へ移せる家庭向けです。2026年11月1日以降の主な税込単価は次のとおりです。

区分 単価 条件
基本料金 10kW以下2,761.00円 当月と過去11カ月の最大需要で契約電力を決定
夜間 14.57円/kWh 21〜7時、22〜8時、23〜9時から選択
休日昼間 春秋18.57円/夏冬21.97円 土日祝日など
平日昼間 春秋24.70円/夏冬27.59円 季節で単価が変動

夜間単価はスマートファミリーの各段階より安い一方、10kW以下の基本料金2,761円は、40Aの基本料金1,766.76円より994.24円高くなります。さらに実量制では、短時間でもエアコン、IH、乾燥機、給湯などを同時に使って最大需要が上がると、契約電力に影響する可能性があります。

選ぶ前に、検針票や会員ページで「夜間使用量の割合」と「最大需要電力」を確認します。エコキュートの沸き上げ時間が昼間へずれていると、安い夜間単価を生かせません。夜間比率だけでなく、平日昼間・休日昼間、春秋・夏冬の使用量を12カ月分で試算する必要があります。

燃料費調整の上限が比較結果を変える

九州電力の2026年11月燃料費調整では、従量電灯Bなどの特定小売供給約款が1.86円/kWh、スマートファミリープランや電化でナイト・セレクトなどの需給契約条件が2.53円/kWhです。

従量電灯Bには燃料費調整の上限がありますが、自由料金の2プランには上限がありません。燃料価格が上がり、上限が効いている月は、自由料金側の300kWh超単価や夜間単価が安くても、燃料費調整を含む総額では逆転する場合があります。反対に燃料費調整差が縮小すれば、スマートの損益分岐は745kWhより低くなります。

料金プランは電力量単価だけで固定評価せず、少なくとも直近12カ月の燃料費調整、実際の使用量、割引条件を入れて比較してください。11月の差を年間へ12倍するのは適切ではありません。

料金プランを変更する前の5項目

  1. 現在の契約名を確認する:検針票や会員ページで、従量電灯B、スマート、電化プランなどを確認します。
  2. 12カ月分の使用量を見る:平均だけでなく、冷暖房を使う夏冬の最大使用月を確認します。
  3. 支払方法と契約期間を確認する:口座振替割引と2年契約割引は条件・適用時期が異なります。
  4. 燃料費調整を入れる:料金表の電力量単価だけでなく、同じ月の調整単価を加えます。
  5. 時間帯・最大需要を確認する:オール電化は夜間比率と実量制の契約電力を確認します。

最終確認には九州電力の料金シミュレーションを使い、現在の契約と候補プランを同じ12カ月データで比べます。11月1日前後の請求は新旧単価の日割りが含まれる場合があるため、最初の1カ月だけで優劣を決めない方が安全です。

よくある質問

スマートファミリープランは従量電灯Bより必ず安いですか?

必ず安いわけではありません。300kWh超の電力量単価は安いものの、燃料費調整に上限がありません。2026年11月条件では、30A・割引適用の試算で約745kWhが損益分岐です。

使用量が300kWhを超えたらすぐ変更すべきですか?

300kWhを超えた分はスマートが1.10円/kWh安くなりますが、燃料費調整差と2年契約条件があります。300kWhを少し超えるだけでは総額が安くならない月があります。

オール電化なら電化でナイト・セレクトが最安ですか?

夜間へ十分移せる場合は有力ですが、昼間使用が多い家庭や最大需要が高い家庭では差が縮まります。12カ月の時間帯別使用量と契約電力で確認してください。

従量電灯Bの燃料費調整上限とは何ですか?

燃料価格が一定水準を超えても調整額に上限を設ける仕組みです。スマートファミリーや電化でナイト・セレクトには上限がないため、燃料高騰時は調整額の差が広がる可能性があります。

11月の請求だけでプランを比較できますか?

できません。11月は料金改定、政府支援終了、新旧単価の日割りが重なる場合があります。検針期間全体が新単価になる請求と、季節ごとの使用量を含む12カ月で比較します。

次に確認するのは12月の調整単価と実際の請求内訳

11月請求では、契約プラン、対象期間、基本料金、電力量料金、燃料費等調整、再エネ賦課金、割引を分けて確認します。次に見るのは九州電力が公表する12月分の燃料費調整単価です。従量電灯Bと自由料金の差が変われば、本記事の損益分岐も動きます。

家計全体の固定費とあわせて確認する場合は物価・賃金・家計負担のまとめ、料金改定の背景を追う場合はGX・エネルギー・素材のまとめも参考になります。

このテーマを継続して追いたい方は、Google検索の優先ソースにeconovaを追加しておくと、関連する新着記事を確認しやすくなります。

主な参照情報

注意:本記事は2026年10月28日時点の公式情報を基にした一般的な比較です。試算は税込公表単価を使い、契約容量、検針期間、端数処理、割引適用月、燃料費調整、再エネ賦課金、使用時間帯により実際の請求額と異なります。特定プランへの変更を勧めるものではありません。

タイトルとURLをコピーしました