北海道電力は11月いくら上がる?支援終了と託送料金を試算

北海道の託送料金見直しと電気料金への影響を示す送電線と家計メモのイメージ 政治・経済
託送料金の見直しは、送配電網投資、家計の電気料金、企業コストをあわせて見る必要があります。

北海道電力の2026年11月分は、国の電気料金支援終了と託送料金改定が重なります。従量電灯B・30A・月230kWhの公式モデルでは、10月分9,266円から11月分10,552円へ1,286円増です。内訳は、料金改定481円と、3.50円/kWhの支援終了805円です。

ただし、11月分は10月31日まで旧単価、11月1日以降は新単価で日割りされます。この記事では、北海道電力の11月分燃料費等調整と料金改定FAQをもとに、支援終了と託送料金改定を分け、200〜600kWhの負担増と請求書の確認順を整理します。

結論:従量電灯B・30Aは「月462.30円+使用量×0.08円」増

従量電灯B・30Aの改定影響は、次の式で概算できます。

月額増加 = 基本料金差462.30円 + 使用量(kWh)×0.08円

基本料金は1,254.00円から1,716.30円へ上がるため、差額は462.30円です。電力量料金は120kWh以下、120kWh超280kWh以下、280kWh超のいずれも0.08円/kWh上がります。そのため、30A契約では使用量にかかわらず同じ式で改定差を計算できます。

Econova独自試算:200〜600kWhの月額・年額影響

以下は、北海道電力の新旧単価表を使い、従量電灯B・30Aで、燃料費等調整額と再エネ賦課金が同じと仮定した単価改定分だけの試算です。消費税を含む料金単価を使用し、1円未満を四捨五入しています。

月間使用量 基本料金の増加 電力量料金の増加 月額増加 年額増加
200kWh 462.30円 16.00円 約478円 約5,740円
300kWh 462.30円 24.00円 約486円 約5,836円
400kWh 462.30円 32.00円 約494円 約5,932円
600kWh 462.30円 48.00円 約510円 約6,124円

独自整理で分かることは、今回の家庭向け改定では使用量より契約アンペアの影響が大きい点です。月200kWhと600kWhの増加額の差は32円ですが、基本料金だけで462.30円増えます。節電は請求総額を下げるうえで有効でも、今回の改定分は節電だけでは相殺しにくい構造です。

北海道電力の公式モデルは30A・230kWhで月481円増です。上の式に当てはめると462.30円+18.40円=480.70円となり、端数処理後の481円と一致します。試算式が公式モデルと整合することも確認できます。

11月は支援終了と託送料金改定が重なる

公式確認できる事実:低圧の燃料費等調整単価は、2026年10月分のマイナス8.04円/kWhから、11月分はマイナス4.54円/kWhへ3.50円上がります。ただし、支援前の単価は10月分も11月分もマイナス4.54円/kWhで同じです。つまり、低圧の3.50円差は燃料価格の変化ではなく、国の3.50円/kWh支援が10月分で終了する影響です。

Econova独自試算:従量電灯B・30Aについて、支援終了分「使用量×3.50円」と、新単価が1か月すべて適用された場合の料金改定分「462.30円+使用量×0.08円」を分けました。燃料費等調整の支援前単価、再エネ賦課金、使用量が同じという条件の比較です。

月間使用量 支援終了 料金改定 合計影響
200kWh 700円 約478円 約1,178円
230kWh 805円 約481円 約1,286円
300kWh 1,050円 約486円 約1,536円
400kWh 1,400円 約494円 約1,894円
600kWh 2,100円 約510円 約2,610円

230kWhの合計1,286円は北海道電力の公式モデルと一致します。一方、実際の11月分では料金改定部分だけが11月1日前後で日割りされるため、契約ごとの検針期間によって上表の「料金改定」全額より小さくなる場合があります。新単価が全期間に適用される次回以降と分けて確認してください。

支援終了は期間限定値引きがなくなる変化であり、託送料金改定とは原因が異なります。請求総額が1,286円上がる公式モデルでも、すべてを「託送料金の値上げ」と扱わないことが重要です。

公式確認できる料金:11月1日から何が変わるか

従量電灯B 改定前 改定後 差額
基本料金10A 418.00円 572.10円 +154.10円
基本料金30A 1,254.00円 1,716.30円 +462.30円
最初の120kWhまで 35.69円/kWh 35.77円/kWh +0.08円/kWh
120kWh超280kWhまで 41.98円/kWh 42.06円/kWh +0.08円/kWh
280kWh超 45.70円/kWh 45.78円/kWh +0.08円/kWh

この料金には消費税相当額を含みますが、燃料費等調整額と再エネ賦課金は含みません。請求総額は燃料価格、政府支援、再エネ賦課金、検針期間によって別に動きます。単価改定による差と、毎月の請求総額の変化を混同しないことが重要です。

北海道電力の公式資料では、30A・230kWhのモデルを11,115円から11,596円への481円増(4.3%増)としています。このモデルには2026年度の再エネ賦課金4.18円/kWhを含み、燃料費等調整額は含みません。

平均託送単価+1.89円と、家庭料金+0.08円が違う理由

ほくでんネットワークの需要側低圧の平均単価は、税抜で10.23円/kWhから12.12円/kWhへ上がり、差は1.89円/kWhです。一方、北海道電力の従量電灯Bは、電力量料金の差が税込0.08円/kWhにとどまり、基本料金が大きく上がります。

これは矛盾ではありません。平均託送単価は、低圧全体の託送料金収入を電力量で平均した指標です。家庭の小売料金表は、基本料金と電力量料金に配分して設定されます。契約種別や容量も含む平均値を、特定家庭の使用量へ直接掛けることはできません。

したがって、旧稿で示していた「300kWh×1.89円=567円」という計算は、送配電側の平均収入差を見る参考にはなっても、従量電灯Bの請求額予測には使えません。正式な小売単価が公表された現在は、契約プランの基本料金差と電力量料金差から計算する方が正確です。

11月分は10月31日まで旧単価、11月1日から新単価

北海道電力のFAQによると、2026年11月分は10月31日までの使用分に改定前単価、11月1日以降の使用分に改定後単価を適用し、それぞれの日数に応じて日割り計算します。

このため、最初の11月分請求では、上の月額増加がそのまま全額出ない場合があります。検針期間の全日が新単価になる次回以降と分け、請求書の対象期間を確認してください。日割りと燃料費調整の変化が同時に入ると、請求総額だけでは改定影響を判別しにくくなります。

契約アンペア別:月300kWhならいくら増えるか

月300kWhの場合、電力量料金の増加は24円です。基本料金差を加えると次の概算になります。

契約電流 基本料金の増加 300kWh時の月額増加
20A 308.20円 約332円
30A 462.30円 約486円
40A 616.40円 約640円
50A 770.50円 約795円
60A 924.60円 約949円

アンペアを下げると基本料金は減りますが、同時に使える家電の容量も小さくなります。暖房、IH、電子レンジ、乾燥機などを同時に使う北海道の冬季は、料金だけで変更するとブレーカーが落ちやすくなる可能性があります。直近1年の最大使用状況を確認してから判断してください。

家計全体の固定費とあわせて見る場合は、物価・賃金・家計負担のまとめも参考になります。

企業向けは契約電力と使用量の両方が影響

北海道電力の主な高圧メニューでは、業務用電力の基本料金が1kWあたり2,693.20円から2,970.10円へ、電力量料金が23.40円/kWhから23.47円/kWhへ上がります。高圧電力も基本料金が1kWあたり2,880.20円から3,157.10円へ、電力量料金が21.62円から21.69円へ上がります。

特別高圧の主なメニューでは、基本料金差は1kWあたり122.90円、電力量料金差は0.07円/kWhです。工場、物流施設、商業施設、ホテル、データセンターは、契約電力が大きいため基本料金差の影響が積み上がります。

法人は、直近12か月の最大需要電力、月別使用量、操業時間、複数拠点を同じ条件で並べてください。平均託送単価だけでなく、契約中の小売メニューの新旧単価を使う必要があります。AI・データセンターによる需要増との関係はAIデータセンターと電力需要、送配電投資の背景はGX・エネルギー・素材のまとめで整理しています。

託送料金改定の背景は送配電網のコスト

託送料金は、送電線、変電所、配電網、メーター、需給管理など、電気を届けるネットワークの利用料金です。今回の見直しは、物価や金利の上昇などを反映した収入見通しの変更承認を受けて行われました。

正式な託送料金単価表では、低圧だけでなく高圧・特別高圧・発電側の単価も更新されています。ほくでんネットワークは9月11日に変更届出を行い、11月1日実施の託送供給等約款を公開しています。つまり、8月時点の「算出値・今後承認予定」という段階から、現在は実施日と単価が確定した段階へ進んでいます。

燃料費が下がっても託送料金が同じ動きをするとは限りません。請求書を見るときは、基本料金、電力量料金、燃料費等調整、再エネ賦課金、政府支援を分けて確認する必要があります。

北海道と九州では同じ11月改定でも構造が違う

北海道の従量電灯Bは基本料金と電力量料金がともに上がります。一方、九州電力の2026年11月改定では、基本料金が上がる一方で、従量電灯Bの電力量料金は各段階で0.04円/kWh下がります。

「託送料金の見直し」という原因が同じでも、小売料金への配分は地域・事業者・契約プランで異なります。別地域のモデル額や平均託送単価を北海道の契約へ流用せず、自分の料金表で基本料金と従量部分を分けることが必要です。

よくある質問

北海道電力の料金改定はいつからですか?

2026年11月1日からです。11月分は10月31日まで旧単価、11月1日以降は新単価を使い、日数に応じて日割り計算されます。

すべての家庭が月481円上がりますか?

いいえ。481円は従量電灯B・30A・月230kWhという公式モデルです。契約アンペア、使用量、料金プラン、燃料費等調整、再エネ賦課金などで実際の請求額は変わります。

低圧平均+1.89円/kWhを使用量に掛ければよいですか?

家庭の請求額予測には適しません。+1.89円は送配電側の低圧平均単価差です。従量電灯Bは基本料金差と0.08円/kWhの電力量料金差を使って計算します。

節電すれば値上げ分を抑えられますか?

請求総額は下げられますが、今回の改定差は基本料金の比重が大きいため、使用量を減らしただけでは増加分を大きく縮めにくい構造です。契約アンペアを見直す場合は冬季の同時使用も確認してください。

11月分は10月分よりいくら上がりますか?

従量電灯B・30A・230kWhの公式モデルでは1,286円増です。内訳は国の支援終了805円と料金改定481円です。ただし、個別の11月請求では改定前後の日数、契約プラン、使用量が異なるため、1,286円が一律に加算されるわけではありません。

確認手順:11月と次回請求を分けて見る

  1. 請求明細で契約プランと契約アンペア・契約電力を確認する。
  2. 北海道電力の改定案内で、自分のプランの新旧単価を確認する。
  3. 11月分は、旧単価と新単価が適用された日数を確認する。
  4. 次回請求では、燃料費等調整と再エネ賦課金を改定差から分ける。
  5. 法人は契約電力、最大需要電力、月別使用量を12か月分で比較する。

本記事は2026年10月17日時点の公式情報に基づく一般的な解説です。Econova独自試算は従量電灯Bの公表単価差を用いた概算で、実際の請求額を保証するものではありません。契約変更は北海道電力または契約中の小売電気事業者の最新案内を確認してください。

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